🗣 研究概要

ソフトウェアの盗用,すなわち,ソフトウェアを構成するプログラムをライセンスに違反して利用する行為を発見する手段として,ソフトウェアバースマークの技術が提案されている. ソフトウェアバースマーク(以下,単にバースマークと呼ぶ)とは,プログラムから抽出可能な,ソフトウェアの機能を特徴付ける情報のことであり,メソッドの呼出し履歴や命令列(オペコード列)の $k$-gram など,様々な種類が提案 されている. バースマークによる盗用判定では,まず原告プログラム(身元が明らかなプログラム)と被告プログラム(盗用か否かの判定対象のプログラム)からそれぞれバースマークを抽出する. そして,それらを比較し類似度を算出する.この類似度により盗用であるか否かを判定する. バースマークのうち,動的バースマークは,プログラムを実行させることで得られる情報をもとにしたバースマークであり,プログラム全体の盗用を検出するのに適しているとされる. 動的バースマークは,プロ グラムの変形に対して比較的堅牢である一方で,プログラムの構造を理解し,多くのパスを通るように実行させるための入力セットを準備する必要がある. そのため,バースマークの抽出に大きな労力を要する傾向がある. そこで本研究では,プログラムの入力セットを自動的に取得できるシンボリック実行を利用して, 動的バースマークを効率良く抽出するためのシステムの構築を目指す.

(松田 隼汰, 神崎 雄一郎, 光本 智洋, 玉田 春昭, ‘‘シンボリック実行を利用した動的ソフトウェアバースマークの抽出システムの検討’’, 情報処理学会第85回全国大会講演論文集 (講演番号6K-05), March 2023. はじめにより)

📚 業績


  
  
  

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