🗣 研究概要

本論文では,ソフトウェア盗用の発見・立証を効率的に支援するための動的バースマークを提案する. 動的バースマーク$f(p, I)$はソフトウェア$p$を入力$I$で実行した場合の$p$の振る舞いから得られる,$p$の持つユニークな特徴の集合である. ソフトウェア$p$, $q$が存在し,$f(p, I) = f(q, I)$であれば,$q$は$p$の盗用である疑いが強い. 本論文では,2種類の動的バースマークを提案する. 提案手法では,ソフトウェア実行時のAPI呼び出し情報を,個々のソフトウェアの特徴として利用し,API呼び出しの順序から実行系列バースマーク を,個々のAPIの呼び出し頻度から実行頻度バースマークをそれぞれ抽出する. この2種類のバースマークを2種類の実験によって評価した. 実験1では,同じ用途の複数のアプリケーションに提案バースマークを適用した. その結果,オリジナルとその改変アプリケーションからは非常に類似したバースマークが得られること,全く独立に実装されたアプリケーションからは,全く異なるバースマークが得られることがわかった. 実験2では,提案バースマークは,異なるコンパイラや最適化などに対して強い耐性を持つことが示された.

(岡本 圭司, 玉田 春昭, 中村 匡秀, 門田 暁人, 松本 健一, ‘‘API呼び出しを用いた動的バースマーク’’, 電子情報通信学会論文誌, Vol. J89-D, No. 8, pp. 1751–1763, August, 2006. 概要)

📚 業績


  
  
  

🔎 関連する研究トピック・助成